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セカイカメラなどが削除された件(PlaceEngine周りのお話)

セカイカメラAPIの説明会開催日にAppleは、セカイカメラを含むPlaceEngine(Wifiを通して位置情報を取得する技術)を利用したアプリをApp Storeから一掃した。セカイカメラさんからすると非常に嬉しくないタイミングで、Appleが水を差したことになる。またか!と騒ぐ前に一考したい。

まずは可能性を列挙してみよう。
1. Appleさんの提供しているAPIの範囲を超えたグレーな実装方法だったのが、やっぱりブラックだと認定されてしまいましたなう。
2. 「広告を表示するためだけに位置情報を取得するアプリは禁止です」という、最近話題を呼んだAppleの表明が実行に移されたなう。
3. 今後のビジネス領域に重なるので、競合事業者を排除したなう。
さて、どれだろう?

一番有力なのは、やはり1番目だ。Private APIを利用していたのがNGとなったケース。PlaceEngineは、簡単にいうと周りにあるWiFiのアクセスポイントをActive Scan(自分から取得しにいくこと)して、BSSID(MACアドレス)とSSID(Sub Station ID:アクセスポイントの名前)、RSSI(受信信号の強度)の3つの情報を取得している。PlaceEngineがActive ScanにPrivate APIを利用しており、それがこれまでは黙認されていたけどやっぱりNGになったと考えると合点が行く。時期的にみても、新バージョンのiPhone OSが出される直前に、SDKの運用基準が厳密になった可能性は高い。
関連記事:http://www.theregister.co.uk/2010/03/04/wifi_stumbling_iphone/

当該アプリの開発者(というか、この場合はPlaceEngineを提供しているクウジットさん)は公式のAPIを使用したものに書き換え、再度審査を申請することになる。たぶん今頃徹夜しているのではないかと思われます。回避策があるのか、ちょっと不明。頻繁に利用されるアプリが多いだけに、影響は大きい。

ちなみにPrivate APIを利用していたアプリが審査に通らないケースはこれまでも頻繁に報告されており、真新しいことではない。僕たちはこのケースで削除になるリスクを考慮し、Private APIを利用しない方針で開発をしている。

気になるのは2と3だ。PlaceEngineなどの位置検出技術が、Appleの事業戦略と重なった可能性。何ともいえないが「ロケーション広告を単純に表示するだけのために位置情報を取得するのは認められないよ」というAppleさんの表明が実行されたのであれば、iButterflyが削除されてても良い気がするのでリトマス試験紙をそこに貼っておくとして、それだと残る可能性は3である。

ロケーション関連が将来的なAppleのビジネス領域に重なるか重ならないかといえば、はっきりと重なることは誰の目にも明確である。Appleは、適切にプライバシーコントロールを行いつつ、デバイスと密接に連携した制御をすることによる優位性の確保と、一次情報の囲い込みを狙うことができる。

まとめると削除理由としては1、その背景に3があって、Appleさんは着実にロケーション情報を提供するAPIを準備中、といったところだろう。ただし2も関係がないわけではないだろう。以上、僕は当事者ではないので、あくまで推測ですが、後日クウジットさんから公式の説明があるのではないかと。ケーススタディの価値は大いにあるので、今後とも注視していきたいところです。

と、ここまで書いたところで、クウジットさんが協力しているブラタモリがApp Storeに残っていることに気付いてしまった。はてさて(おそらく、クウジットさんが協力してはいるが、PlaceEngineは使っていなかったのだと思われる)。

3月9日追記:クウジットさんが、PlaceEngineを外してアプリを再審査に出すよう、各アプリのデベロッパーさんに提案したと表明したみたいです。流石に無理だったみたい。
http://www.koozyt.com/press/2010/news100306.html

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